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米国商標法改正について

2021/06/28

米国商標法改正について

 2020年12月27日に「商標近代化法(the Trademark Modernization Act of 2020)」が制定されました。その概略をご説明させていただきます。
 

1.不使用商標に係る新たなルールの制定

 商標登録を受けた商標が正確に使用されていない場合に、第三者が登録商標の取り消しを請求できる査定系取消手続(ex parte expungement)や再審査手続(reexamination proceedings)に関するルールが制定されます。このルールは、近年、適切に使用されていないマークについて商標登録を受け、維持するケースなど詐欺的な出願が増加していることに対処するためのもので、使用されていない商標登録を取り消すことで商標登録の精度を確保することを意図しています。
 米国において商標出願をする場合は、商標について実際に使用する態様で出願すること、登録後は登録を受けた態様で使用することの重要性が益々高まってきているといえます。お客様におかれましても、この点どうぞご留意ください。
 

2.オフィスアクションの応答期間

 オフィスアクションに対する応答期間が60日から6カ月の間でフレキシブルに設定されることになります。現在の応答期間は6カ月ですが、国内出願については拒絶理由の内容によって3か月(延長費用の支払いによって3か月の延長が可能)とし、マドプロ経由での出願の場合は、応答期間は6カ月のままとすることが検討されているようです。
 今後はオフィスアクションの応答方針についてご検討いただくお時間が短くなる可能性がございます。
 

3.その他

 その他にも審査段階での第三者による情報提供等が法定化されました。
 
 なお、現在米国特許商標庁(USPTO)では、「商標近代化法」の規則案について2021年7月19日までパブリックコメントを募集しており、オフィスアクションへの応答期限については2022年6月27日までに、その他については2021年12月27日に施行予定です。進展がございましたら、改めて弊事務所ホームページにてご紹介させていただきます。


 
記事担当者:意匠商標室 堀 敬香
 
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