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米国特許商標庁における101条(主題適格性)拒絶理由への応答保留に関するパイロットプログラム

2022/01/25

米国特許商標庁における101条(主題適格性)拒絶理由への応答保留に関するパイロットプログラム

米国特許庁は、Deferred Subject Matter Eligibility Response (DSMER) pilot program(101条(主題適格性)拒絶理由への応答保留に関するパイロットプログラム)を施行することを発表しました。
 
 
<期間>
2022年2月1日~2022年7月30日(ただし終期については変更の可能性あり)
 
<参加方法>
参加要件を満たしている出願のファーストアクションにパイロットプログラムへの招待に関する段落が記載されます。そのようなファーストアクションを受けた場合には、ファーストアクションへの応答時に所定のフォーム(PTO/SB/456)を提出することにより、パイロットプログラムに参加できます。応答時にこのような特別な手続きを取らなければ、パイロットプログラムには参加しないことになります。なお、ここでいうファーストアクションには限定/選択要求は含まれません。また、ファーストアクションにパイロットプログラムへの招待が記載されていない出願において、出願人側からパイロットプログラムへの参加を要請することはできません
 
<参加要件を満たす出願>
以下の特許出願は、参加要件を満たしません。

  • 植物特許出願、意匠特許出願
  • 分割/継続/CIP等の米国国内での120条、121条優先権主張を伴う特許出願(仮出願からの優先権主張(119条)やパリ優先権主張はパイロットプログラムからの除外対象ではありません)
  • 早期審査(PPHも含む)の対象となっている特許出願
  • ファーストアクションで101条(特許適格性)に関する拒絶理由がそもそも無い特許出願、あるはこれが唯一の拒絶理由となっている特許出願。

 
<パイロットプログラムに参加した場合の特例>
101条の拒絶理由に対する応答を、審査の結論が出るまでは保留することができます。ただし、その後のアクションで他の拒絶理由が解消して101条の拒絶理由が唯一の拒絶理由となった場合には、もはや保留はできません。

  • *審査の結論とは、許可通知発令、ファイナルアクション発令、審判請求(Notice of Appeal)の提出、RCEの提出、又は出願の放棄を指します。
  • *パイロットプログラムの対象案件でも、自発的に101条の拒絶理由に対する応答を行っても構いません。

 
<審査について>
101条に関する応答が先延ばしされた場合であっても、審査官は、出願人による応答内容が101条に関する拒絶理由も解消するか否かを検討します。このような応答内容は、出願人が101条に対する応答を自発的に行った場合以外は、他の拒絶理由に対する応答内容ということになりますが、それが101条拒絶理由を解消していないかどうかも判断することになります(この点が、このパイロットプログラムの狙いとするところです)。
 
<ファイナルアクション>
ファイナルアクション発令が、パイロットプログラムを終結させるイベントとして挙げられているため、多くの場合は、当該出願におけるパイロットプログラムの効力はファイナルアクション発令で終結します。つまり、ファイナルアクションの応答時には、101条拒絶の応答に関する先延ばしは認められません。そして、ファイナルアクション発令後の審査・審判は、通常の特許出願の場合と変わらないやり方で進められることになります。
 
<参考リンク>
<Deferred Subject Matter Eligibility Response Pilot Program>
https://www.federalregister.gov/documents/2022/01/06/2021-28473/deferred-subject-matter-eligibility-response-pilot-program


 
記事担当者:外国情報グループ 北米チーム 桐内 優
 
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