ニュース

裁判所による知財調停制度の運用が開始されました

2019/10/16

 2019年10月1日から、東京地裁と大阪地裁において、知的財産権に関する調停制度の運用が開始されました。
 

 
  • ※調停とは、利害関係を有さない調停人が、紛争を抱えた当事者間の間に入り、和解の成立に向けて協力する制度です。裁判と比較して、費用や期間の面で、合理的な紛争解決手段として期待できます。

<今回導入された知財調停制度のポイント>

 判断者に裁判官が含まれるようになりました。
 詳細には、裁判官1名、弁護士又は弁理士等の専門家2名で調停委員会を構成し、この調停委員会が調停を行います。
 

<従来の紛争解決制度>
 従来から、裁判以外で法的な紛争の解決手段として、
・第三者、知的財産仲裁センターあるいは裁判所による調停
・知的財産仲裁センター等による仲裁
・特許庁による判定
 等がありました。但し、いずれの場合も判断者に裁判官が含まれていなかったため、裁判所による判断(判決)と同一視することは困難でした。

 

<今回導入された知財調停制度のメリット>

その1:説得力
 裁判官が判断者に含まれるため、これまであった仲裁などの制度と比較して、調停の結論について説得力があり、双方の納得が期待できます。
その2:スピード感
 およそ半年以内に調停の成立が期待できるため、スピード感があります。特に、双方が裁判よりも早期の決着を望む場合には、有効な手段となり得ます。
その3:非公開性
 調停手続きは、非公開で行われます。そのため、調停を行っていることを第三者に知られずに済みます。また、調停の内容(調停中の主張)も第三者に知られずに済みます。
その4:柔軟性
 交渉の状況や方針転換に応じて、柔軟に取り下げを行うことが可能です。場合によっては、自己に不利であると感じた場合に取り下げる…といったような対応も可能となります。
 

<まとめ>

 今回導入された裁判所による知財調停制度は、合理的な紛争解決手段の一つとして期待できます。特に、裁判よりも短期間で安価に紛争解決を図りたい場合には、有効な手段となります。
 本制度にご興味のある場合は、お気軽にお問い合わせください。


 
本件に関して、ご不明な点などございましたら、下記お問合せフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい。
(お問合せの際は記事のタイトルをご記入いただくとスムーズな対応が可能です。)