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所長メッセージ

2019/04/05
イチロー選手とエジソン


 シアトルマリナーズのイチロー選手が現役を引退し、大きな話題になりました。日本及びアメリカのプロ野球界で数多くの記録を残した大選手です。
投手でなく、野手として初めての日本人メジャーリーガーとして活躍し、新たな野球スタイルを確立しました。それまでは、大パワーでホームランを量産する力強い4番バッターが花形でした。そのようなマッチョの世界で、確実な単打の年間記録、俊足による内野安打、外野守備でのホームラン性打球のフェンス上捕球、などで観客を魅了しました。
 期待感やハラハラドキドキ感は、本場のメジャーリーグファンの視線を釘付けにし、あらためて走攻守が基本だというプロ選手の魅力を再認識させました。ライト前安打の打球で三塁へ向けて疾走する一塁走者を封殺する遠投力は、レーザービーム送球との名誉ある称号に繋がりました。単にメジャーリーグの一選手というだけでなく、名選手達にも尊敬される偉大な選手となったことが特に優れたところです。
 このような、数々の大記録を打ち立てたイチロー選手ですが、偉大な記録を残すことができたのは、毎日の少しずつの積み重ねが最も大切だと言っています。我々から見ると大天才だと思われる選手が、才能よりも努力が大切だと断言しているのは驚きです。
 この点は、偉大な発明王であるトーマス・エジソンも同様な言葉を残しています。「天才とは、1%のひらめきと、99%の努力である」というものです。エジソンには発明完成までの意欲と桁外れの努力があったのは間違いがありません。近代産業の基礎を築いた電球の発明に至っては、長持ちする電球フィラメントを完成するために、昼夜を問わず研究に没頭しました。従来のフィラメントが高熱で短時間に燃え尽きるのを解消するために、燃焼の基礎研究から、最適材料を見付けるために周期律表の勉強をはじめ、素材の専門家集団を結成しました。さらには、最適フィラメントを完成させるために、地球上に存在するあらゆる材料をフィラメントとしてテストしました。京都産の竹を使ったのは有名な話です。
 歴史に残る他の大発明家にも、同じようにこだわりのある例が多いものです。豊田佐吉や本田宗一郎にも同じような伝説があります。夢中になって、日々の努力を重ねることが大きな成果を生むことに繋がります。しかし、このような尋常でない努力の積み重ねですが、当の本人達は、毎日の小さな積み重ねだと言います。何事も、小さな積み重ねが大きな成果に繋がるのを再認識することが大切です。
 
太陽国際特許事務所
会長 中島 淳