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AI(Artificial Intelligence)の発展と知財保護(第2回/全5回)

AI(人工知能:Artificial Intelligence)関連発明の特許出願動向
~近年、AI関連発明に対する注目が益々高くなっています~
 
2019/12/19(更新:2020/11/13)

AI関連発明の出願数の推移

 近年、AI関連発明に対する注目が益々高くなっています。これに伴い、太陽国際特許事務所へのAI関連発明の出願依頼件数も年々増えています。2020年以降、さらに特許出願数が急激に増加することが予想されます。

AIの多様化


 近年のAI関連発明の進歩と増加に伴い、AI関連発明を出願する技術分野も多様化してきています。
 例えば、これまでは、AI関連発明を出願していなかった、総合化学メーカー、製薬会社、材料メーカー等からもAI関連案件についてのご相談を頂くことが増えてきました。ご相談の内容は、出願・社内教育・ライセンス/契約など多岐に渡ります。
 AI関連技術は、今後もいかなる業種・技術分野とも融合していくと予想されますので、 「わが社は〇〇業だから、AI技術なんて関係ない」といった認識は、決して正しくありません。
 また、特許、実用新案、意匠、商標等の知的財産権は、先出願が原則(早い者勝ち)となりますので、AI関連技術についてビジネスをご検討の際には、ささいなことでも専門家に相談し、積極的に最新の知識を得ておくことをお勧めいたします。

AIを活用したビジネスモデル

 AIを開発する多くの場合、AIに膨大な機密データ(教師データ)を与え、学習モデルを作成することになります。学習モデルを、自社内で開発する場合、機密データの取り扱いは自社内で完結し、AIとしての成果物である学習モデルも自社のものとなり、秘密保持及び成果物の帰属の面において問題はあまりありません。しかし、AIを開発するためには、それなりの人的リソースやノウハウが必要になります。
 このため、社外のベンダーに学習モデルの開発を依頼する場合があります。このような場合、下図のように、ユーザーが機密データをベンダーに提供し、ベンダーが学習モデルを開発(育てる)ことになります。

 ユーザーは良質な機密データのお蔭で学習モデルができるのだから、成果物である学習モデルもユーザーに帰属すると考えます。
 一方、ベンダーは、学習モデルにおけるパラメータの調整などにもノウハウがあるのだから、成果物である学習モデルはベンダーに帰属すると考えます。
 このような場合、実質的な寄与率を考慮することが基本となりますが、寄与率が必ずしも明確であるとも限らず、成果物となるAI関連発明或いは機密データの取り扱いについて、綱引きが始まってしまう場合もあります。

 AI関連発明について特許出願する際には、出願人となるお客様が、「ユーザー側であるか、又は、ベンダー側であるか」といった条件や、どのようなビジネスモデルを目指すか、といった状況に応じて、主張する権利範囲を検討する必要があります。

太陽国際特許事務所の取り組み

 太陽国際特許事務所では、お客様からのAIに関するご依頼について、各技術分野に対応した経験豊富な専門家が対応できる体制を整えています。出願・社内教育・ライセンス/契約、等、様々なご要望に応じて、柔軟にご対応いたします。ご不明点やご相談がある場合には、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。
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