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特許業務法人 太陽国際特許事務所
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東京五輪エンブレムと著作権

   東京五輪大会は5年後に開催されますが、そのエンブレムが何かと話題になっています。ベルギーにある劇場のロゴマークと似ているというものです。エンブレムの作者や五輪関係者は、似ていないし、盗用であるとの指摘は事実無根としています。一方、劇場側はエンブレムの使用差し止めをベルギーの裁判所に訴えているようです。似ているかどうかや、誰の権利かというのは、一般の人々には何とも判り難い論争です。
   この東京五輪のエンブレムは商標として出願中との説明です。出願された商標は、特許庁で審査され、過去の登録された商標と似ていないものだけが登録されます。また、出願に際しては、過去に類似の登録がないか事前調査をしてから出願します。それでも約2割の商標は拒絶されます。このため、事前調査なしで出願すれば、さらに拒絶の割合は増えることになります。ですから、今回の五輪エンブレムと劇場ロゴマークの論争が共に商標の場合でしたら、問題は比較的簡単です。これらが類似しているのであれば、一方だけが登録されて商標権となり、他方は出願したとしても拒絶される上に、この商標権の侵害になるので使用することもできません。
    しかし、著作権制度は審査がありません。ロゴマークを独自に作ったのと同時に著作権が発生し、権利を主張できる仕組みです。他人のまねでなく、独自の創作であれば、権利が認められる点が難解です。著作権が発生しているマークを商標として出願すれば、半分くらいは拒絶されるであろうとの予測もあります。
    このような著作権制度は審査がないなど、便利な反面、今回のように一般の人々には何とも判断が難しい面があります。著作権制度は文化の発展を目的としており、産業の発展を目的とする特許や商標とは異なることに原因があります。しかし、ロゴマークなどは文化の発展よりも産業的な利用が増え、産業の発展と切り離せないコンピュータープログラムが著作権で保護されるようになったことで、著作権が産業と深く関係しはじめました。 今回のようなエンブレムやマークなどについて、他人に真似されたくない場合には、商標権に頼るか、著作権に頼るかを考えることになります。商標では、審査を経て登録されれば他人の先行登録とは類似していないと認められたことになります。このため、公的な審査を経て登録され、他人が類似マークを不正使用しないようにしたいのであれば、まずは商標出願を考える必要があります。
    著作権と商標権の交通整理がなされて、すっきりとした形になってほしいのですが、当分は難しい状況です。


太陽国際特許事務所
所長 中島 淳


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