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特許業務法人 太陽国際特許事務所
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タイにおける商標法の改正と連合商標制度の廃止
 
タイにおいては、連合商標(associated marks)という制度が長い間採用されていました。連合商標制度は、同一人による同一又は類似商標は連合商標として登録しなければならないというもので、登録後も商標ごとの分離移転は認められていませんでした。

2016年2月に可決された商標法改正案により、2016年7月から連合商標制度が廃止されました。既に旧法に基づいて登録済みの連合商標についても遡及的に廃止されることとなります。連合商標の廃止により、現在では区分単位での分離譲渡・移転が認められるようになりました。

タイで商標登録出願を行った際、同一または類似する商標が既に他人により出願・登録されていますとコンセント 1 も実質的に効果がないことから、旧法の下では多くの場合商標権の取得を断念せざるを得ませんでした。

今回の改正での連合商標の廃止を受け分離移転が可能となったことから、同一または類似する商標が既に他人により出願・登録されていたことを理由とする拒絶理由への応答策として、いわゆるアサイン−アサインバック 2 という方法を取ることも可能になりました。アサイン−アサインバックは、2段階の譲渡手続きを経て一定の類似関係にある商標の登録を試みるための方策ですので、手続的に煩雑であり費用面での負担も大きいという短所はありますが、従来でしたら商標権取得を断念せざるを得なかったようなケースでも、登録に至る可能性はまだ残されていることになります。いずれにしろ、拒絶理由への対応の幅が広がりましたので、今後の実務に変化が出てくることになるでしょう。

参考文献:日本貿易振興機構 「タイにおける改正商標法の施行について」
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/asia/2016/th/th20160804.pdf


1 コンセント制度とは、引用商標を所有する先行登録商標権者の同意があれば、それと類似する商標を他人に登録することを原則として認める制度のことです。
2 アサイン−アサインバックとは、類似する先行登録商標権者の協力の下、出願中の商標登録を先行権利者に譲渡し登録後その権利を再譲渡してもらうことによって、商標権の取得を目指す手法のことです。手続が煩雑で経済的負担も大きいうえに、コンプライアンスの面で問題があるとの見解もありますが、コンセント制度が採用されていない国やエリアでは、実務上、広く採用されている手法です。