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損害賠償増額についての最高裁判決
 
米国最高裁判決−損害賠償額増額の認定基準の緩和

   米国最高裁は2016年6月13日にHalo Electronics, Inc. v. Pulse Electronics, Inc.事件及びStryker Corp. v. Zimmer, Inc.事件の2件について判決を下しました。この中で、最高裁は連邦巡回控訴裁判所(CAFC)によりSeagate事件で示された従来の基準を緩和しました。このため、故意侵害による損害賠償額の増額(35 U.S.C.284条)はより認められやすくなります。

・ 従来のSeagateテスト:    

(1) 侵害者の行為が特許権の侵害に相当する可能性が客観的に高いにも関わらず侵害者は当該行為を行ったこと;

   

(2) 侵害についての当該客観的に高い可能性を侵害者が知っていたあるいは知っているべきであったほど明白であったこと;

について、明白で説得力のある証拠(clear and convincing evidence)が無ければならない。

最高裁判決における重要点


(1) 侵害が客観的に無謀な(objectively reckless)行為かどうかに関わらず、侵害者の主観的な故意が重視される。

   Seagateテストが客観性を重視していたことについて、これを不適当としています。

(2) 侵害者の責任は侵害行為の時点を基準に判断すべきである

   侵害者が訴訟の際に合理性のある無効の主張を出来たとしても、侵害の時点でそのようなそのような無効性の認識が無いのであれば、その時点で主観的には故意に有効な特許権を侵害していたという認識になります。

(3) 地裁はSeagateテストに関わらず、職権により損害賠償額の増額を認定してよい。その基準は、損害賠償額の増額は故意の不法行為といった悪質なケースに限定されるべきであるという要件である。

   従来からのSeagateテストは不適当であるとされました。

(4) 損害賠償額の増額をすべきかどうかの評価は、clear and convincing evidence(明白かつ説得力のある証拠)基準ではなく、preponderance of evidence(より確からしい)基準に基づいて行われるべきである。

   評価における、要求される確実性の基準が下がったため、この点も損害賠償の増額をより認めやすくなる要因となっています。

今後は侵害行為が故意でないと認められない場合には、賠償額の増額がより認められやすくなると予想されます。
このため、米国特許弁護士の鑑定書を取得しておくことの重要性がより高まることになると考えられます。



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外国本部 特許部 桐内 優 (mailto:mail@taiyo-nk.co.jp)