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【中国】専利審査指南の改正(2026年1月1日施行)

2025/11/20

【中国】専利審査指南の改正(2026年1月1日施行)

2025年11月13日に中国国家知識産権局より専利審査指南の改正が公表されました。本改正は2026年1月1日より施行されます。
改正後の専利審査指南においては、以下の点が明確化されています。
 
 
1.発明者の適格性

      • 発明者は自然人でなければなりません。
      • 人工知能は発明者として認められません。

2.分割出願における優先権主張

    • 原出願が優先権を主張していても、分割出願時に当該優先権を願書にて主張しなければ、分割出願は優先権を主張していないものとみなされます。

3.特許・実用新案の同日出願におけるダブルパテントの対応

      • 同一の発明について、特許・実用新案の同日出願制度を利用した場合であって、特許出願の審査において、登録された実用新案権によってダブルパテントの問題が生じた場合は、当該実用新案権を放棄しなければ特許権が付与されません。
      • また、上記の場合、特許出願の請求項を補正することで実用新案権と特許権との両方を所有することはできなくなりました。

4.進歩性の判断基準

    • 課題解決に寄与しない技術的特徴は、請求項に記載されていても進歩性の判断において考慮されず、当該特徴によって進歩性が認められることはありません。

5.人工知能・ビッグデータ関連発明

    • (1)倫理審査
      • アルゴリズムの特徴またはビジネスルールを含む人工知能などの関連発明について、データ収集、ラベル管理、ルール設定、推奨決定などには、法律や社会道徳に違反し、または公共の利益を害する内容が含まれる場合、特許権が付与されません。
        • 例えば、公衆の安全を目的としないのに、個人の同意なく、公共の場所で個人の画像や身分識別情報を収集する内容が含まれる発明は、法律に違反しているため、特許権は付与されません。
        • また、例えば、自動運転車両の緊急時の意思決定モデルで、回避不可能な事故において、歩行者の性別及び年齢に基づいて衝突対象を選択するという内容が含まれる発明は、社会道徳に違反しているため、特許権は付与されません。
    • (2)明細書の十分な公開
      • 人工知能モデルの構築・学習に係る発明では、明細書に、以下の事項を明確に記載する必要があります。
        • モデルに必要なモジュール、レイヤー、または接続関係
        • 学習に必要な手順、パラメータ等
      • 特定の分野またはシーンへの人工知能モデルまたはアルゴリズムの適用に係る発明では、明細書に以下の事項を明確に記載する必要があります。
        • モデルまたはアルゴリズムが特定の分野またはシーンとどのように結合されるか
        • モデルまたはアルゴリズムの入出力データは、内部相関関係を反映するためにどのように設定されるか
      •  

6.ビットストリーム関連発明

      • ビットストリームのみを特徴とする請求項は、知的活動の規則及び方法に属し、特許による保護の対象となりません。
      • ビットストリームを生成する動画の符号化方法が専利法第二条第二項の技術方案に該当する場合は、当該符号化方法により限定される、ビットストリームの記憶方法、ビットストリームの伝送方法及びビットストリームを記憶するコンピュータ可読記憶媒体は、特許による保護の対象となります。

7.PCT移行の場合の優先権証明書類

    • 先の出願の譲渡などの権利移転に基づき先の出願の優先権を主張したPCT移行の場合、国際段階で適法な優先権享有の宣言をしている場合を除き、先の出願の全出願人が署名または押印している優先権証明書類を提出しなければなりません。

8.無効審判

      • すでに審決が確定した無効審判に係る特許権について、同一のまたは実質的に同一な理由および証拠に基づいて再度無効審判が請求された場合は、受理・審理されません。
      • 同一の無効審判において、適法な補正書が複数回にわたって提出された場合には、最後に提出された補正書が審理の対象とされます。

9.明細書の超過料金

    • 明細書(図面および配列表を含む)の総ページ数が30ページを超えた場合に発生する超過料金は、所定形式に従い提出されたコンピュータ可読形式の配列表には適用されません。

 
 
参考情報(中国語):
国家知识产权局关于修改《专利审查指南》的决定(局令第84号)
https://www.cnipa.gov.cn/art/2025/11/13/art_74_202560.html


 
記事担当者:外国情報グループ アジアチーム(中国担当) 中国弁理士 孫 桂江
 
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