【欧州】PACEプログラム運用変更(2026年2月~)
2026/01/29
【欧州】PACEプログラム運用変更(2026年2月~)
2026年2月1日から、EPO(欧州特許庁)のPACEプログラムの運用が変更されます。
現状の運用からの実質的な変更はなく、後述する審査状況照会(Enquiries as to processing of the file)と組み合わせて、さらに有効に活用することができるようになります。
- PACEプログラムとは
- EPOにおける審査促進手段です。庁費用は無料であり、簡単な申請書を提出するのみで、審査促進の理由等の提出も必要ありません。
現状の運用では、PACEを申請すると、EPOは、サーチ段階では、 - ・通常の欧州出願の場合は出願日、又は
- ・PCT経由の欧州出願の場合は、規則161(2)による期間(欧州移行後の自発補正可能期間)の満了日
- から6か月以内に審査結果を出すよう努力します。また、審査段階では、
- ・規則70aに基づく欧州拡大サーチレポート(European Extended Search Report:EESR)への応答、
- ・規則161(2)に基づく応答(欧州移行後の自発補正)、又は
- ・PACEの申請
- から3か月以内に審査結果を出すよう努力します。
- なお、申請を撤回した場合の他、応答期間を延長した場合等には、PACEプログラムから除外されます。
- 今回の変更点
- 従来は、サーチ段階及び審査段階のそれぞれで、1出願につき1回ずつ申請可能でした。
- 今回の運用変更で、サーチ段階での申請は廃止され、審査段階で1出願につき1回のみ申請可能となります。
- この運用変更は、EPOでは現状、概ねEESRを6か月以内に発行している(2024年時点で、平均して5.5か月で発行)ことを背景としたものであり、サーチ段階のPACE申請は実質的に不要なものとなっていたからです。
- 審査段階でのPACE申請は、出願が審査部に移管された段階、すなわちEESRへの応答後に可能となります。
- なお、EPOが国際調査機関(ISA)となっているPCT経由欧州出願の場合は、PACE申請は、欧州移行後のいつでも可能です(例えば、欧州移行時、あるいは規則161(1)による通知(国際調査報告の見解書への応答を要請するもの)への応答時など)。
- 審査状況照会の運用変更
- PACEの運用変更に伴い、審査状況照会(Enquiries as to processing of the file)も、2026年2月1日から運用変更されます。
- a)PACEが既に申請されているか、又は、
- b)以前に照会が行われており、
- かつ、EPOの目標期間内にオフィスアクションが発行されていない場合に、
- 照会を提出すると、EPOは自動的に1か月以内に次のオフィスアクションを発行します。
- ここでの「目標期間」とは、PACE申請から3か月、又は前回の照会に対するEPOの回答に基づく期間と理解されます。
- 審査が期待通りに進んでいない場合に、PACEに加え、このような審査状況照会も活用することができます。
本件に関する、EPOからの通達は、以下で確認することができます。
<OJ EPO 2025, A69 - Notice from the European Patent Office dated 16 December 2025 concerning the programme for accelerated prosecution of European patent applications ("PACE")>
https://www.epo.org/en/legal/official-journal/2025/12/a69
<OJ EPO 2025, A70 - Notice from the European Patent Office dated 16 December 2025 concerning the handling of enquiries as to the processing of files>
https://www.epo.org/en/legal/official-journal/2025/12/a70#fnref2
記事担当者:外国情報グループ 欧州チーム 吉村 絹恵
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