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所長メッセージ

2020/03/09
新型コロナウイルス対策が急務です


 今年になって新型コロナウイルスの感染が世界的に蔓延しています。昨年12月に初の発症者が出てから3カ月で感染者は100か国、10万人を超え、3500人の方が亡くなりました。これほど急速に感染が拡大するのは、人々の予測をはるかに超えており、世界中に不安と恐怖をも蔓延させています。
 日本国内でも多くの会合が中止になり、スポーツイベントは無観客試合が多くなっています。企業や事業所でも、時差通勤や在宅勤務がはじまり、交通機関利用者も激減です。4月に予定されていた中国の習近平主席来日も延期になり、さらには、感染が早期に収束しないと東京オリンピックの開催も危ぶまれる状況になっています。
 日本弁理士会においても、不要不急な会合の中止や、TV会議の積極的導入などの対策が講じられており、集合研修も多くが中止されています。当事務所においても、消毒液やマスクの設置による感染予防策のほか、フレックスタイムの拡大適用による時差通勤や、小中高等学校の休校に対応した在宅勤務の適用による対応策をとっています。また、事務所内での感染を防止するべく、事務所内の各部署の物理的分散や、ミーティングも直接集合を止め、メールやイントラネットによる遠隔会合などを進めています。さらには、来訪者には直接面談をなるべく避けて、TV会議やネットシステムを用いた遠隔面談をお願いしており、皆様へ不自由をお掛けすることになっています。
 このように、日本社会全体でウイルス対策に厳重な対応を迫られることにより、ビジネス面では大幅な制約が課せられています。多くのビジネス関係諸氏は限られた業務環境と時間で、選択と集中により何とか必要な成果を挙げているものと思われます。今から考えると、従来は余りにも恵まれた設備や時間による潤沢な業務環境で同等程度の成果を挙げていました。それが、現在では制約された環境で同等の成果を挙げる必要があり、今までよりも高密度で高効率の業務成果を生み出していることでしょう。
 その意味では、今までの業務遂行レベルは無駄や低効率部分も含まれており、今回のやむを得ない環境変化により、中枢部分が明確になったとも言えます。我々の頭脳活動は、従来と異なる環境や刺激があると、それに応じて従来と同じ成果を挙げるよう工夫した回路が作動します。それが、進歩という言葉の意味かもしれません。今回の困難な業務環境に置かれた我々は、時間や固定設備は重要なことではないと理解した場面も多かったでしょう。大切なことは、決められた場所に決められた時間いることではなく、限られた時間や設備で、いかに最高の成果を挙げるかであるということだと思われます。
 
太陽国際特許事務所
会長 中島 淳