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人工知能によって創作された発明の保護
DABUSプロジェクト~アップデート

2023/02/15(最終更新日:2023/05/09)

 DABUSと呼ばれる人工知能(AI)が自律的に創作した発明について、知的財産権による保護を求める国際プロジェクトが進行中であり、発明者適格性や特許を受ける権利のあり方が欧州・米国等の各国特許庁で審査・検討されています。当該プロジェクトに係るPCT出願の日本移行を弊事務所が代理していることについては、2020年11月12日の弊事務所ホームページ記事にて紹介させていただいておりました。弊事務所ではAI創作発明を特許権で保護することの重要性に鑑み、社会貢献の一環として無償(プロボノ)で本プロジェクトに参加しています。
 本特許出願では、発明者としてAIプログラムの名称(「ダバス、本発明を自律的に発明した人工知能)を記載しておりました。日本特許庁は、発明者の表示は自然人に限られ、AIを発明者として記載することは認めないとの立場をとっています。この立場については、特許庁ホームページ「発明者等の表示について」( https://www.jpo.go.jp/system/process/shutugan/hatsumei.html )に掲載されています。特許庁は本特許出願に対して補正指令を発令し、出願人が発明者の表示を補正しなかったことから、出願却下の処分が下されました。これに対して出願人は行政不服審査法による審査請求を行っておりましたが、認められませんでした。そこで、他の国内法律事務所と協力して、行政事件不服訴訟を東京地方裁判所に提起すべく対応中です。
 本案件は、AIをはじめとするソフトウェア特許を専門に取り扱うメンバーを含む特任チームが対応しています。弊事務所ホームページでも、審査の進行状況について適宜お知らせする予定です。
 
<DABUSプロジェクトの紹介ページ(英文) -The Artificial Inventor Project->
 https://artificialinventor.com/
 
<弊所DABUSプロジェクト紹介ページ>
 AI発明者 DABUSプロジェクト 特設ページ
 

    • <日本特許出願経緯>
      • PCT国際公開番号: WO2020/079499
      • 発明の名称: フードコンテナ並びに注意を喚起し誘引する装置及び方法
      • 発明者: ダバス、本発明を自律的に発明した人工知能
      • 2020年 8月 5日 : 日本国内移行手続き完了
      • 2021年 7月30日 : 手続補正指令
      • 2021年 9月30日 : 上申書提出
      • 2021年10月13日 : 出願却下処分
      • 2022年 1月17日 : 行政不服審査法による審査請求書提出
      • 2022年 8月19日 : 諮問事件の通知書(担当部会:第3部会)
      • 2022年 9月12日 : 答申書
      • 2022年10月12日 : 裁決書

 

    • <特任チームメンバー>
      • 特許2部 藤田 健
      • 特許3部 山口 真紀
      • 特許5部 石田 理、田中 宏明
      • 外国統括管理部 設楽 修一

 
記事担当者:副所長(執行役)外国統括管理部 設楽 修一
 
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